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Channel: 仙石浩明の日記
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台湾で中華電信と台灣大哥大のプリペイド SIM カードを買ってみた

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初めての台湾。 4日間の短期滞在なので、 街中でプリペイド SIM カードを売ってるところを探していては時間がもったいない。 できれば空港で SIM を入手し、 不自由無くインターネットにアクセスしたい。 とはいえ、 パックツアー (最初に九份を訪れた後は全日程自由行動) なので、 他のツアー客を待たせるわけにはいかない。 できるだけ早く入国審査を済ませて SIM を購入し、 ツアー集合場所に駆けつけよう。

臺灣桃園國際機場 (Taiwan Taoyuan Int'l Airport, 台湾桃園国際空港) 第2ターミナルに到着後、 飛行機を真っ先に飛び出し、 小走りで入国審査場を目指した。

がらがらの入国審査場。 やった、 一番乗り。 広々とした入国審査場の片隅に、 一台だけ置かれている ATM が目に入った。 初めての訪台なので、 台湾の現金をまったく持っていない。 多くの国で SIM はクレジットカードで買うことができない。 おそらく台湾も同じだろう。 ここで現金を入手できれば、 SIM の購入がスムーズになる。

ATM に駆け寄り、 素早くキャッシュカードを挿入、 暗証番号を入力し、 口座の種別を選んで金額を入力した。 すると、 CirrusPLUS か選択する画面が現れた。

へ? Cirrus か PLUS ? そんなの ATM が勝手に判断することなんじゃ? わざわざユーザに選ばせるってことは、 Cirrus と PLUS の両方に対応しているカードがあるってこと? それなんて呉越同舟?

ええい、 二つに一つ!と Cirrus を選んだら、 レシートとカードが吐き出され、お金は出てこなかった。 敗北感に浸りながら出てきたカードを裏返すと、 そこには PLUS のマークがあった。

もう一度... と思ったが、 いつのまにか入国審査場には待ち行列が伸び始めていた。 いま現金を入手したところで、 入国審査に時間がかかっては元も子もない。 慌てて行列の最後尾につく。

と、 いうわけで到着ロビーで ATM を探した。 (両替のための) 銀行カウンターは目立つところにあるが、 ATM はエスカレータ脇の目立たないところにあるので見つけにくい。 事前に場所を確認しておいた方が無難。 もっとも、 一刻も早く ATM を使う必要があるのは、 その国を初めて訪れる時 (その国の現金を全く持っていない時) だけだが。 しかも、 台灣大哥大 (Taiwan Mobile) の SIM は、 クレジットカードでも購入できた orz。 中華電信 (Chunghwa Telecom) は現金のみ。

Chunghwa Telecom, Taiwan Mobile, FarEasTone at Taiwan Taoyuan Int'l Airport 到着ロビーへ出て左側へ進んだところに、 中華電信, 台灣大哥大, 遠傳電信のカウンターがあった (←左写真)。 台湾は SIM 管理が厳しく、 購入の際、 パスポートの他にもう一点、 身分証明書の提示が必要。

スタッフが (日本の)運転免許証を見慣れているので、 運転免許証を提示するとスムーズに手続きできる。 SIM の購入は一人一枚に制限されると聞いていた (未確認) ので、 (私が二枚まとめて購入するのではなく) 私と妻それぞれ一枚づつ購入したのだが、 妻は運転免許証を持ってないので住民基本台帳カードを提示した。 住民基本台帳カードは市町村ごとにデザインが違うので、 日本の公的な身分証明書であることを納得してもらうのに、 ちょっと手間取っていたようだ。

市町村ごとに変種がある 「証明書」 でどうやって偽造を見抜けと言うのだろう? さらに悪いことに、 住民基本台帳カードには固有番号が一切書かれていない。 もちろん、IC の中には 「住基ネット番号」 という固有番号が記録されているわけだが、 IC リーダを使わずに (フォトコピーだけで) 読める固有番号 (もちろん住基ネット番号とは異なる番号で構わない) を用意すべきではないのか? 証明書としての要件をまるで備えていない住基カード (>_<)。 こんなものを作った責任者を小一時間問い詰めたい。

4日間の滞在なので、 5日間 (120時間) データ通信し放題の SIM カード (通話も可能) を購入した。 中華電信と台灣大哥大を一枚づつ。 どちらも micro SIM を選択できた (一応 SIM カッターを持参したのだが ^^;)。 中華電信は NT$50 の度数が付いて計 NT$300 (約930円)、 台灣大哥大は NT$250 の度数が付いて計 NT$500 (約1550円)。 つまり、 どちらも 5日間の無制限データ通信の部分は NT$250 (約780円)。

「大哥大」 は (日本では) 見慣れない文字なので、 どう発音していいのか困るが、 あえてカタカナで書けば 「ダーグーダー」 (「グー」 が高く, 第1声)。 「グー」 は発音記号 (拼音, ピンイン) で書くと 「gē」 で、 「e」 は中国語の母音の中で最も(?)難しい音。 口の形は 「エ」 なのだけど 「ウ」 に近い音に聞こえる。 他の母音とくっつくと 「エ」 に聞こえることも。

「哥」 は、 (歌の意味もあるがここでは) 「兄」 の意味。 で、 それに 「大」 がついて 「大哥」 は 「いちばん上の兄」、 転じて 「男性に対して使う尊敬と親しみをこめた呼称」。 「アニキ」 みたいな感じか? そして、 さらに 「大」 がついた 「大哥大」 は 「(やくざの)ボス」。 それが転じて 「携帯電話」 ← どーしてそうなった?

大哥大
Dàgē dà
携帯電話.(‘大哥大’(香港のマフィアのボス) が携帯電話を手に持って部下に指令を出す映画のシーンから生まれた言葉で, その姿が格好よく見えるところから‘大哥大’と言われるようになった.) ≒移动电话,手提式电话.

中国語では携帯電話のことを 「移動電話」 (簡体字だと 「移动电话」) と表記することが多いが、 台湾では 「行動電話」 と表記するのが普通。 発音は 「Xíngdòng diànhuà」。

「NT$」 は、 新台湾ドル (New Taiwan dollar) の略称。 「新」と言っても最近発行されたわけではなく、 発行開始年は 1949年。 通貨コードは TWD (なら素直に TW$ と書けばいいのにな〜)。 NT$1 = 約3.1円。

TWM 5 Day Pass

5日間の無制限データ通信が NT$250 なのは SIM 購入時のみで、 無制限データ通信プランを追加で購入しようとすると、 中華電信の場合は、 NT$100 (1日間), NT$250 (3日間), NT$450 (7日間) となっていて、 5日間のプランは無く、 NT$250 だと 3日間しか使えない。 一方台灣大哥大は、 NT$100 (1日間), NT$250 (3日間), NT$350 (5日間), NT$450 (7日間), NT$600 (10日間), NT$800 (25日間) となっていて、 1, 3, 7 日間プラン (中華電信と同額) に加え、 5, 10, 25 日間プランもある。 5日間プランは NT$350 となっていて、 SIM 購入時と比べて NT$100 高くなる。

以上のように、 中華電信と台灣大哥大は、 価格的に差がないが、 使用感にも差は感じられなかった。 Speedtest.net で測定したところ、 中華電信は ping 100ms 下り 2Mbps 上り 800kbps 前後だったのに対し、 台灣大哥大は ping 80ms 下り 3Mbps 上り 300kbps 前後だった。 下りは台灣大哥大のほうが速いが、 上りは中華電信のほうが速い。

中華電信は開通後、 次のような SMS が送られてきた:

Date: Tue, 29 Jan 2013 12:56:30 +0800

行動數據計日服務已開通,若您正在上網,請關機,重開後即可適用。預計102年02月03日12:53:52服務到期。更多資訊請撥539查詢。

(拙訳) モバイルデータ日単位サービスが開通しました。もし今オンラインなら、 携帯電話を再起動してください。再接続後、データプランが即適用されます。 サービスの有効期限は 102年02月03日12:53:52 です。 詳細については 539 に電話してください。

102年ってのは何ぞ? と思ったが、 民国紀元 (中華民国が成立した1912年を紀元とする紀年法) だと今年は 102年なんだそうだ。 539 をダイヤルして電話すると、 自動音声応答が出て、 3 を押すことで日本語に切り替えることができて、 有効期限等を確認することができる。 期限が切れている場合は、 無制限データ通信プランを追加購入することができる。

中華電信の NT$250 のデータ定額は 3日後の 23:59 まで使える、 と書いてあるページ (ブログ等) をよく見かけるが、 少なくとも私が購入した NT$250 のデータ定額 (無制限データ通信) は 120時間後 (5日後) が期限だった。 SIM の種類が違う、あるいは最近変更された、という可能性も否定できないが、 書いた人の勘違いなのではなかろうか? きちんと有効期限を (SMS 等で) 確認したのだろうか?

台灣大哥大は開通後、 次のような SMS が送られてきた:

Date: Tue, 29 Jan 2013 13:08:15 +0800

歡迎使用手機無限上網計日型服務,請手機重新開機即可使用。服務結束是2013/02/03 01:55PM,查詢效期請撥打535

(拙訳) 無制限インターネット日単位サービスへようこそ。 携帯電話を再起動してください。 サービスは 2013/02/03 01:55PM に終了します。 有効期限のお問い合わせは 535 に電話してください。

535 に電話すると、 自動音声応答が出て、 2 を押すことで英語に切り替えることができる。 中華電信と同様、 有効期限の確認や、 無制限データ通信プランの追加購入が可能。

どちらの SMS も、 携帯電話を再起動せよと書かれているが、 再起動することにより APN が自動設定されることを期待しているのだろう。 ほとんどの携帯電話で APN が自動設定されるのだと思うが、 手動設定したい場合は、 中華電信は APN を 「internet」 あるいは 「emome」 に、 台灣大哥大は APN を 「internet」 あるいは 「twm」 に設定すればよい。

台灣大哥大の SIM は NT$250 (約780円) の度数付だったので、 4日間の滞在では充分余裕があったが、 中華電信の SIM は NT$50 (約160円) しか度数が付いていなかった (度数の差の分だけ安い) ので、 4日間の滞在中に残度数が 0 になってしまった。

CHT Recharge Voucher NT$300 しかも、 中華電信の SIM は残度数が 0 になると、 無制限データ通信の部分まで使えなくなってしまうようだ (データ通信さえできれば skype 等で通話することもできたのに)。 仕方がないので、 コンビニ (7-ELEVEn) で NT$300 の儲值卡 (Recharge Voucher, 如意卡) を買った (コンビニで売っている如意卡は NT$300 と NT$500 のみ)。

残度数が 0 になった緊急事態だったので、 最寄りのコンビニに飛込んで定価で買ったが、 ケータイ屋 (キャリア直営ではない、ケータイ用のケース等を売ってる店) だと 額面の 1〜2割引で売っているので、 残度数が少なくなってきたらあらかじめ (安値で) 買っておいた方がよい。 残度数は、 中華電信の場合は 「*101*1#」 を、 台灣大哥大の場合は 「*867#」 を、 それぞれダイヤルすることにより確認できる。

CHT Recharge Voucher NT$300 reverse 儲值卡の裏面の銀色の部分 (請用錢幣輕輕刮除護漆 Carefully scratch the strip と書いてある) をコイン等で削り取ると、 12桁の数字 (←の場合は 9495 8339 3250) が現れるので、 「*101*2*(12桁の数字)#」 をダイヤルする (*101*2*949583393250#)。

すると、 「儲值成功!儲值後餘額 300.00 元 2013/07/29 到期」 (チャージ成功! チャージ後残高 NT$300.00 2013/07/29 期限) などと書かれた SMS が送られてきて、 残高が NT$300 になり、 有効期限もこの時点から 180日後になる。

台湾のプリペイド SIM は国際ローミングに対応していない (ポストペイ SIM は、申請すると国際ローミング可能) ので、 台湾の外で 「*101*2*〜#」 へダイヤルすることはできないが、 儲值卡の裏面の説明にあるように (他の SIM あるいは固定電話などから) +886-928-000-928 に電話し、 自動音声に従ってチャージ (充值) することが可能。 日本へ帰国する前に台湾で儲值卡を何枚か買っておけば、 台湾に行かなくても 180日に一度チャージして、 プリペイド SIM を失効させることなく維持できる。

台灣大哥大も同様に、 台湾で儲值卡を何枚か買っておけば、 台湾の外から +886-935-120-867 (台湾内でチャージ対象 SIM を使う場合は 867) に電話してチャージすることが可能。 台灣大哥大はさらに、 Web でチャージすることもできる。 台湾滞在中にアカウントを作っておけば、 そのアカウントでログイン (登入) し、 クレジットカード払いでチャージできる。


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